全国のECCジュニアホームティーチャーの有志のグループで、即興型パーラメンタリーディベートの練習会を定期的に開催しています。
パーラメンタリーディベートとは、ひとつの論題に対し、肯定と否定チームに分かれ、各チームが第三者(公平な立場で勝敗を決めるジャッジ)を説得させるディベートです。論破して勝利を目指すものではありません。論題は、社会、政治、環境、国際問題など様々です。小中学生対象の練習では、より身近なテーマを取り上げ話しやすく工夫します。
「即興型」というのは、論題が発表されてから、準備する時間が15~30分程度と短いものです。またディベートする場合、肯定チームか否定チームかを選ぶことはできず、自身の意見と異なる主張を考えなければならない場合もあります。自分が話したいのとは逆の立場の意見を考えることによって、モノの見方を多角的に捉える力が養われます。
パーラメンタリーディベートは、教育現場で導入が進んでいます。高校の学習指導要領には英語の「論理表現」の中にもディベートの実践は明記されています。
英語力のみならず、様々な知識をベースに論理的にパブリックスピーチを行う能力が、これから社会に出ていく者に必要とされています。
講師は不定期ですが、この練習会に参加しています。生徒たちにも声をかけていきます。対象学年は小5~高校生です。
日々、学習している英語をどう使いますか。テキストの中で覚えた単語や表現を、自分の言いたいことを相手に伝えたり主張するときの材料にしていくと、それらの単語や表現が自分の一部として根付いていくと思います。
1月の練習会のテーマは核兵器廃絶運動に携わる方をゲストスピーカーにお迎えし、レクチャーを受けてからディベートしました。
論題(小中学生):Students should go to Hiroshima / Nagasaki on school trip.
(生徒は修学旅行で広島または長崎に行くべきである)
論題(高校生):Japan should join the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons.
(日本は核兵器禁止条約に参加するべきである)
クリスマス発表会
幼児クラスは劇発表、小学校低学年クラスは自己紹介のスピーチを元気に暗誦発表することができました。
高学年クラスは自己紹介のあと、ネイティブ講師のアドリブ質問に英語で答えました。
自分の興味のあるテーマを選んでスピーチしたり、日本文化についての説明文を暗誦発表したりしました。
緊張がほぐれた後のアクティビティタイムでは、箱の中に入っているものを目を閉じて触って当てる “What’s in a Box?” や ネイティブ講師とのジャンケンゲーム、ビンゴで楽しみました。
高学年クラスでは、”color game”(ある色を指定されたらその色のモノを言っていくゲーム)をしました。Something red と言われたら、いくつ思いつきますか?
会の終わりに、ジョン・レノンの “Happy Christmas” を聴きました。
”War is over.” というメッセージが常に頭の片隅に浮かびます。
最初は「無理、できなーい」と言っていた生徒が、数週間後には人前でしっかりした声で発表する姿を見て、目標を定めてがんばることのすばらしさを保護者の皆さまも子どもたち自身も感じられたと思います。
今年度のまとめとして、2部制で年度末発表会を実施いたしました。
第1部 幼児~小4継続生クラス
幼児クラスは劇発表、小1~2クラスはマイスピーチ(自己紹介)、小3~4継続生クラスは自己紹介とマイプロジェクト(自分の好きなテーマについてプレゼンテーション。テーマは自分の農場、点字、昔と今の道具比較など)。
第2部 小4~5初心者クラス~小5~6継続生クラス
小4~5初心者クラスは自己紹介、ダイアログまたはマイプロジェクト発表。
小5~6継続生クラスは銭湯についての説明文暗誦発表とマイプロジェクト発表。(マイプロジェクトテーマは水の大切さ、スポーツの効能、動物園飼育係だったら紹介したい動物、好きな漫画やアニメなどを紹介するブログレポートなど)
スーパーラーニング生は自分の好きな本を音読発表しました。今までで一番上手に読めました。
発表の後はアクティビティタイム。ネイティブゲストへの質問コーナー。
ネイティブゲストのスティーブンに自由に質問。
Q&Aの中には
What do you want? I want world peace. No more war!
なんてダイレクトなやりとりもありました!
発表の場があると近いところに目標ができるので、集中して練習します。いつのまにか暗記してしまう生徒も多いです。繰り返すこと、声に出してそれを聞くことがいかに語学の根本かということが実感できる瞬間です。
4月からの新年度も、目標を決めて前進しましょう。