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時々、生徒から聞く言葉。
「え?何?わかんない」
「日本語で言って」
もちろん、言いません(笑)。
ECCのレッスンでは、例えば
「今日は、”私は〇〇が好きです”っていう言い方を勉強しますよ。I like の後ろに、好きなものを言えばいいんです」
などとは言いません。
リンゴや犬、チョコレートなど、私が好きなものの写真を見せて、
「I like apples.」
「I lilke dogs.」
「I like chocolate.」
などと感情たっぷりめに言っていきます。
大抵、生徒さんは「何だろう?先生、犬が好きなのかな?」と推測できます。
これは基本的に、文が複雑になっても同じです。
(場合によっては日本語で補助しますし、年齢が上がるにつれて文法的な説明も加わります。今は中学年以上のクラスでは、宿題で予習する段階で文法的な説明を視聴してきます。)
レッスン中に短い動画を見るのですが(宿題の段階で、1回は見ているはず)、
それに関する質問も、基本的には英語でします。
生徒さんはおそらく知っている単語や動画の内容から、
「きっとこれを質問されてるな」
と検討をつけて答えます。
時々全然違うことを答えますが(笑)、私が疑問詞を強調したり言い方を変えたりすれば、だんだん正しい答えに近づきます。
子供の能力ってすごいなと驚くことも多いです。
しかし。
そんな素晴らしい能力があるはずの子も、
「私、わかんない」
と最初から諦めてしまうと、理解できないようです。
分からない、と言われてもしつこく英語を繰り返し、何度も理解させようとする私。
英語で言われたって分からないよ、と繰り返す生徒。
やがて私が、日本語で話し始めます。
「あのね、みんなくらいの年の子は、知らない言葉でもある程度推測できるの。私が言ってることの中に、1つも知ってる言葉はなかった?私のジェスチャーとか表情とか見て、本当に何にも分からなかった?本当は分かるはずなのに、最初から分からないって言ってる人は、分からなくなっちゃうんだよ」
そしてもう1回英語を聞かせると、大抵の生徒さんは「〇〇って聞いたの?」とか「〇〇って言ってたのは分かった」とか言います。
なんで最初に「分からない」と言われて、すぐ日本語で教えてくれないのか。
子供たちの不満が聞こえてきそうです。
それは、1つは「子供たちは推測できるはず」と信じているからです。
(大人だってできると思いますが、間違えたら恥ずかしいという気持ちや文法的に考えてしまう習慣などが邪魔することが多いのも事実だと思います。)
もう1つは、実際に外国の人と英語で話をする時に、知らないことが1つもないとは限らないし、相手が日本語で教えてくれるケースは稀だからです。
私は2年ほどオンライン英会話を続けていますが、分からない言葉はしょっちゅう出てきます。
「それは、つまりこういうこと?」
「もう1回言ってくれる?」
「どういう意味(でその発言をしてる)?」
これらのフレーズ、よく使っています。
でも当然、返ってくるのは英語です。
ここで、日本語で説明してくれないと、完璧に日本語で理解できないと、と思ってしまったら、コミュニケーションは停止してしまいますよね。
ある程度は推測の力に頼ることも大事な時があります。
当教室では、間違うことは悪いことではないと日々言い続けています。
人のマネをして正解するよりは、自分で考えて間違えた方がいいというのが私の考えです。
何かを身につける時に、一度も間違えずに上達することはほぼありません。
そして、何度か間違ってみないと、間違うのは恥ずかしいという思いを捨てられないとも思います。
最初から「分からない」と可能性を遮断せずに、自分の力を信じてやってみませんか?