大学の仲間と月に1回、オンラインで読書会をやっています。
お気に入りの本の紹介と、課題図書について読後感想を述べあう、というのを隔月で行います。本の紹介はなんでも構いませんが、課題図書は原書にあたる、すなわち英語で書かれた本は英語で読む、というルールがあります。
そのような読書会の中でひしひしと感じるのが、「自分の読書量不足」です。仲間たちの博学さに毎回圧倒されており、なんとか自分も頑張ろうと日々読書をしていますが、追いつくのは難しいです。
目はショボショボするし、原書はなかなか進まない。
死ぬまでにあと何冊本が読めるのかな…なんてつい思ってしまう。
まあ、それでも少しずつでもいいから読もう、とは思っています。
こんな私の読書生活ですが、尊敬すべき読書家が生徒さんの中にいます。
Sくんは1日数冊のペースで本を読んでいるようです。しかも本を読むために睡眠時間を削っているようで、4時間くらいしか寝ていないこともしばしば。これはさすがに身体によくないので
「野口英世じゃないんだから、早く寝なさい!」
と言うと、
「野口英世にできたなら、オレにもできるよ~」
「ヘレンは早く休んでね~」と逆に私の身体を気遣ってくれる優しさ。
ちなみにSくんは小学生の時に図書館の本をすべて制覇したそうです。これはすごい!そして、今でもお手伝いをしてもらったお小遣いはすべて本代に消えるようです。自分で買う以外には、部活の先輩や仲間から借りても読んだりするらしいです。
なにより驚いたのは、
「冷凍庫や車なら作れるよ~」
ですって。えー!そんな知識はどこで得たの?
「本で読んだよ~。本はなんでも教えてくれるからね~」
…と、とにかくすごいです。
読書から知識を得ているSくんは、全教科とも学校のテストの成績もとても良いです。テスト前にも読書をしているくらいですので、もう少しテスト勉強すれば、さらにミスが減って点数は上がると思います!(笑)
こんなに本を読んでいるSくんを心から尊敬します。
食べ物が人間の身体をつくるように、本が人間の頭脳や思考をつくると言っても過言ではないはず。自分が絶対体験できない遥か昔や未来の時代のこと、そして様々な世界のことを知ることができ、いろいろな人の考え方も学べますので、たくさん本を読んでいる人の知識は実に豊富です。
今年はオリパラ開催に伴い、夏休みが例年より長いですね。
普段あまり本を読めていない皆さんは、ぜひ本を読みましょう。
私のように歳をとってから後悔しても遅いですよ。
今にしか出来ない読書体験があります。
それから、幼児さんのお父さん、お母さんは、ぜひ読み聞かせをしてあげてくださいね。お子さんの想像力や思考力を養うには、幼児期から本に触れることがとても大切です。
ぜひぜひみんなでじっくりと本に向かいましょう~♪
今回は読書のおススメでした~。
最近、子どもたちから「ECCは宿題が多いよね~」というグチとも文句ともとれる言葉がチラホラ聞こえてきます。
特に今年から新教材となった中学生クラスから出ている声が多いようですが、そもそも君たち、英語が得意になりたいからECCに来ているのではないかい?
英語を身につけるのに、まさか授業中だけやればいいと思っていないよね?
自分で勉強するのは当たり前よ~!
それでも「多い」と感じてしまうのも、少しは理解できます。
それは、学校の英語の授業数とECCのレッスン数を比べてみればすぐにわかります。中学校の英語の授業は年間140コマあります。週に4回ですね。時間にしてみると、50分×140回=7000時間となります。
それに対し、ECCは年間43回のレッスンしかありません。週に1回、時間では90分×43回=3870時間です。
つまり、コマ数にして1/3以下、時間数にして約1/2の中で、学校の教科書以上の内容を学習していますので、やはり家庭学習で学んでもらう部分が多くなってしまいます。
おまけに、中学校3年間で学ぶ単語数を比較すると、
学校の教科書 1600~1800語
ECCのテキスト 2200語
となり、学校の教科書よりも多くの単語を学んでいることになります。
より多くの内容を効率的に学ぶには、家庭学習が非常に大切な要素なのです。現在中学生クラスでは、自分でできる問題演習は自学で行い、教室内ではリスニング、リーディング、そしてそれに対する自分の考えを述べるスピーキング、ライティングを行っておりますので、家庭学習は授業の一部としての役割を担っています。
どうか生徒の皆さんも保護者の皆さまもそのことを十分ご理解頂き、お家でしっかり英語を勉強してください。2021年4月号でも書きましたが、
小学生は1日5分
中学生は1日15分
高校生は1日30分
机に向かって勉強すれば、十分やれる分量です。
新学期が始まって3ヶ月が経ちますが、きちんと宿題ができている子は中1で英検®3級合格レベルの力がついてきました。
一方、「宿題が多い」と嘆いている子は、未だにread, write, watch, drinkといった基本動詞ですら書けないでいます。
ボヤく前に、まずは少し頑張ってみませんか。
自分との闘いです。
1学期の復習は夏休み中にしっかりやりましょう。
*参考
中学校学習指導要領(平成29年告示)https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_010.pdf
ECCの幼児・小学生向けのテキストでは、数えられるもの(可算名詞)を覚えるときに “a banana”, “ a peach”のように単語の前に “a” をつけて練習するようになっています。ですから、子どもたちはなんでもかんでも “a” をつけて “a hungry” “ a ski” みたいにおかしなことになっちゃうことがたまにあります(笑) しかし、これは早いうちから「数えられるもの」と「数えられないもの」を認識してもらうためですので、ニンジンは “a carrot”、コーンは “corn” のように自然と覚えていって欲しいのです。
ところで、なぜバナナは “a banana” で、リンゴは “an apple” なんでしょうか。
私はこれまで子どもたちにわかりやすいように、
「 “a apple” だと言いにくいでしょ。だから自然な言い方ができるように “a, e, i, o, u”(母音って言うよー)の音で始まる単語の前では “a” じゃなくて “an” になるよー。」
と説明してきました。
し・か・し!!
これは英語史の観点から言うと、完全な間違いであります!
元々ひとつを表わすのは “a” ではなく “an” の方でした。これは “one” (1)の音が弱くなって “an” となったためです。ですから本来であれば “an banana” “an peach” と数えるべきところ、子音の連続(nとb,
nとp)を避けるために “n” が脱落し、子音の前では “a” となったと考えられています。
このように、母音の連続を避けるために “a” が “an” になったのではなく、子音の連続を避けるために “an” が “a” になったと考えるのが正しいのです。
だったら、なぜ私はこれまで違う説明をしてきたのでしょうか。
…はい、申し訳ございません。
正直なところ、私自身の知識不足もありました。しかし、正しく知ってからも、なるべく幼児さんや小学校低学年の子どもたちが理解しやすいように説明しておりました。
しかし、だんだん英語がわかってくる年代の子どもたちには、きちんと英語の成り立ちから説明しないといけないですね。
レッスンの中でも訂正して説明していきたいと思いますが、中学生・高校生・保護者の皆さまは以下のラジオ、書籍、ブログをぜひご覧ください。慶應義塾大学の堀田隆一教授がわかりやすく説明してくださっています。英語史を学び、英語という言語がどうやってできたのかを知るのは、本当におもしろいと思いますよ。今回の不定冠詞( “a” と “an”)だけでなく、さまざまな英語の疑問についても考えるよいきっかけになると思います。
またこの教室日誌の中でも取り上げていきたいと思います。
ラジオ「英語の語源が身につくラジオ」
ブログ「hellog~英語史ブログ」
書籍『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』研究社、2016年