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教室日誌一覧

2026.10.25
カテゴリー: 教室だより

2026.10.25 #208 “either”

2026.10.25 #208 “either”

『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第208回は “either” 「どちらか一方」です。

 

古英語期から見られる英語本来語です。
古英語では ǣġ(e)hwæþer(なんて読むんじゃ?)、その略語 ǣġþer の綴りで、もとは「2つのそれぞれ、両方」の意味でした。

 

中英語の始めくらいまでは「2つとも両方」の意味でしたが、13世紀末から「2つのうちのどちらか」の意味が登場し、「どちらか」の方が生き残りました。現在「2つとも両方」の意味では each, both が使われていますね。

 

ǣġ- は印欧祖語の *aiw-(生命力、命)に、-hwæþer は印欧祖語で関係詞や疑問詞のもととなっている *kʷo- に基づいています。

 

*aiw-(生命力、命)に基づく他の語には、英語本来語では ever(今までに)、every(あらゆる、…ごとに)、never(一度も…ない)、ラテン語由来では age(年齢)、eternal(永遠の)、longevity(長寿)、medieval(中世の)、またギリシア語由来では aeon(非常に長い期間)などがあります。

 

古英語の ǣġþer は /ǽjðer/ と発音されました。これが中英語期には /áɪðer/ や /é:ðer/ となり、さらに /é:ðer/ は「大母音推移」によって /ɪ́ːðər/ となりました。
現在も /áɪðər/ と /ɪ́ːðər/  の両方の発音がありますが、イギリスでは /áɪðə/、アメリカでは  /ɪ́ːðər/ がそれぞれ主流のようですね。

 

『ジーニアス英和辞典』の記述によると以下のとおりです。

 

《米》では /ái-/ は特に米国北東部の教育の高い人によって用いられ、しばしば気取っていると見られる; 今は《英》でも /í:-/ と発音する人が増えてきている。

 

『ジーニアス英和辞典』第6版 either

 

そうなんですね。いろいろ学ぶとおもしろいです。

2026.10.24
カテゴリー: 教室だより

2026.10.24 #207 “decide”

2026.10.24 #207 “decide”

『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第207回は “decide” 「決める、決断する」です。

 

今から600年くらい前の中英語期にフランス語 décider から入ってきました。ラテン語の dēcidere(切り離す、決心する)に由来しています。 de-(離す)+ caedere(切る)からきているため、「(気持ちや迷いを)切り離す」→「決断する」といったニュアンスでしょうか。

 

このラテン語の caedere(切る)に関係する語には、scissors(ハサミ)、concise(簡潔な)、precise(正確な)などがあります。
また caedere には「殺す」の意味もあり、suicide(sui-自らの+ cide = 自殺)、genocide(geno- 民族の + cide = 大量虐殺)、pesticide (pesti- 害虫の + cide = 殺虫剤)などもあります。

 

「決める」「切る」「殺す」、意外な繋がりでした。

2026.10.23
カテゴリー: 教室だより

2026.10.23 #206 “castle”

2026.10.23 #206 “castle”

『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第206回は “castle” 「城」です。

 

この語は『2度にわたって借用された』とあります!
古英語期にラテン語 castellum(城塞、村)から入ってきましたが、この「村」の意味は16世紀には使われなくなりました。

 

そして11世紀に、このラテン語 castellum(城塞、村)から発達した古ノルマン語の castel(城)が入ってきました。これは古フランス語の chastel で、現在のchâteau(城、要塞、邸宅)に当たります。
ですから、castle と château は「二重語」ということになります。

 

印欧祖語の *kes-(切る)に基づいています。何を切る?切られる?のですかね?もとの意味は「切り離された場所」ということになるのでしょうか。

 

フランス語の château と言えば Chateaubriand(シャトーブリアン)が思いついてしまいます。
牛のヒレ肉(テンダーロイン)の中で、ほんのわずかしか取れない最高級の部位ですが、19世紀のフランスの政治家・作家であり、美食家としても知られたシャトーブリアン子爵(Vicomte de Chateaubriand)にちなんで名付けられたそうです。お城は関係なかった⁈と思いきや、「牛肉の最高級の部位」の代名詞ですから、やはりお城に繋がりそうです。

 

また Château Wine(シャトー・ワイン)なるものもあります。これは château に「(格式高い)ワイン醸造所(ワイナリー)」の意味もあるため、そこで作られた「高級ワイン」を Château Wine と呼ぶようです。やはり「お城」=「高級」なのですね。

 

castle に戻ると、発音がアメリカとイギリスで異なります。アメリカでは /kǽsl/、イギリスでは /kɑ́(:)sl/ と発音されます。日本では「キャッスル」の方を耳にしますね。