今日も雨降りでした。
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第161回は “up” 「上に」です。
古英語期から見られる英語本来語です。
古英語では ūp(上の方に)、uppe(高い所に)の綴りで、印欧祖語の *upo-(下、下から上へ、上に)に基づいています。
元となる語が「下」を表わしているのがおもしろいですね。ですから up には「下から上の方へ、上に」という動きが感じられます。
up は前置詞「…の上に」だけでなく、副詞として look up「上の方を」、get up「起きて」、show up「現れて」、go up north「北へ」、speed up「増して」、grow up「成長して」、start up「起動して」、What’s up「起こって」、time’s up「終わって」、catch up「追いついて」、eat up「完全に、すっかり」など、さまざまな意味が出てきています。
印欧祖語の *upo-(下、下から上へ、上に)に基づく語には英語本来語で above(上に)、open(開いた)があります。接頭辞 up- (上向きに、より高い、より早い)から upward(上向きに)、upgrade(アップグレードする)、upside(上側)などもそうですね。
ラテン語由来の接頭辞 sub-(下)も同じ語源です。(↔︎ super- (上))subway(地下鉄)、submarine(潜水艦)、subtitle(字幕)、subordinate(従属する) などがあります。
またギリシア語由来の接頭辞 hypo-(下)もそうです。(↔︎ hyper-(上)) hypothesis(仮説)、hypotension(低血圧)、hypocenter(震源)などがあります。
これらは「下」のままで上に上がってきていないのがおもしろいですね。
週始まりの月曜日。はっきりしない天気のせいか、みんな眠そうでした。
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第160回は “teach / teacher” 「教える、先生」です。
teach は古英語期から見られる英語本来語です。
古英語の綴りは tæċan(示す)で、中英語では teche(n) となりました。印欧祖語の *deik- (示す)に基づいています。(/d/ → /t/ の音の変化は「グリムの法則」に当てはまります。)当初は「指し示す」の意味で、古英語では「教える」には lǣran (= learn) が使われましたが、teach にも古英語期に「教える」の意味が発達しました。
teach はteched (=teached) の規則変化動詞でしたが、古英語tæċan の過去形・過去分詞 tǣht(e) の長母音が中英語期に短くなり tahte, taȝte、そして現在の taught と不規則動詞になりました。
teacher はteach に接尾辞 -er(…する人) をつけた語で、14世紀に最初に見られています。この行為者接尾辞(…する人) には -er, -or, -ar と異なる綴りが当てられていますね。teacher, player, dancer, runner などは-er が、doctor, tailor, professor などは -orが、そしてscholar, beggar, burglarなどは -ar がついています。
大まかに言うと -er は「英語本来語」に、-or は「ラテン語、フランス語由来の語」に、-ar は「ラテン語由来の語の形容詞接尾辞としてついたもの」と区別できそうです。
印欧祖語の *deik- (示す)に基づく語は他にも本来語では token(印)、ラテン語由来では digital(デジタル式の、指の)、index(索引、指示するもの)、indicate(示す)、dictate(指図する、書き取らせる)、predict(予言する)、dictionary(辞書)、dedicate(捧げる)、judge(判断する)、judicial(司法の)、prejudice(偏見)など、たくさんあります!
すでにスーパーの店頭に並んでいるハロウィンのお菓子を買いに奔走した雨の日曜日。
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第159回は “say” 「言う」です。
古英語から見られる英語本来語です。
古英語では say は seċġan の綴りで、間接話法で使われていました。
現在では、say は直接話法で「…と言う」を表わす語で、間接話法では tell が使われています。ところが、古英語では cweþan(現代英語 quoth「…と言った」)が一般的に使われていましたが、cweþan は中英語期には使われなくなり、代わりに seċġan が直接話法で使われるようになりました。
say の ay は /eɪ/ と発音されますが、三単現のs がついた says, 過去形、過去分詞形の said の ay, ai は /e/ と発音されていますね。当初は /eɪ/ と発音されていましたが、今から400年くらい前に /ɪ/ の音が落ちて /e/ だけになってしまったのです。
印欧祖語 *sekʷ-(言う、示す)に基づいています。この語に基づく語は数少ないですが、古ノルド語由来の saga「物語、歴史」があります。18世紀に「サガ(北欧中世の散文物語)」として英語に入ってきています。
まだまだ深めたいところですが、一旦ここまで。
もっと勉強します!