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教室日誌一覧

2024.12.24
カテゴリー: 教室だより

教室だより2024年12月号「堀田隆一教授ご来訪!」

教室だより2024年12月号「堀田隆一教授ご来訪!」

教室だよりとしては、3ヶ月ぶりの更新となってしまいました。

 

10月はハロウィンの学習発表会がありましたので、イベントページをご覧ください。そして11月はECC児童英語検定試験の実施、保護者懇談会と続き、あっという間に12月、そして1年が終わろうとしています。

 

そのような中で、去る12月8日(日)に驚くべきイベントがありました。

 

な、なんと!

慶應義塾大学文学部教授の堀田隆一先生が佐久にお越しくださり、当教室の生徒たちからの英語の質問に次々とお答えいただく「千本ノック」が開催されたのです!

 

こんな夢のようなことが起こるのでしょうか!

私が普段拝聴させていただいているラジオ番組の先生が、突然番組を飛び出して目の前で生徒たちからの質問を受けてくださっているのですから!

そして、このような幸運な機会に参加してくれた子どもたちは全部で16名。保護者の皆さまにも見守っていただき、堀田先生におかれましても初の「小中学生からの質問」による千本ノックが始まりました。

 

大興奮の当日の様子は生放送にて「Voicy」という音声プラットフォームにて放送され、翌日アーカイブにても配信されました。さらに、堀田先生のホームページである「hellog」にても紹介いただいております!

 

配信は以下よりお聴きいただけます。

前半<小学生の部>

「#1289. 佐久平千本ノック(1)—小中学生の皆からの素朴な疑問」

 

後半<中学生の部>

「#1292. 佐久平千本ノック(2)—小中学生の皆からの素朴な疑問」

 

生徒の皆さんからはとても良い質問を出していただいたと思います。堀田先生には子どもたちにもわかりやすい言葉で、丁寧にご説明いただきました。当日の回答については、上記のリンクからお聴きいただけますが、以下に子どもたちからの質問と、通常のラジオ番組にて、またはホームページ上にて先生が回答されている関連回のリンクを貼っておきます。

 

<小学生の部>

1.   なぜ1のワンは one と書くの?

https://r.voicy.jp/RY91ZqnQVqG

 

2.  なぜ筆記体ができたの?

http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-04-23-1.html

 

3.  なぜ大文字と小文字で違う形の文字があるの?

http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2019-05-13-1.html

 

4.   アルファベットの形はどんな理由で決まったの?

https://r.voicy.jp/GZV0lBRMVW7

 

5.   なぜ deer, sheep, fish の複数形には -s がつかないの?

https://r.voicy.jp/079XEEv0Ven

 

6.  なぜ c と k で同じ発音をするの?

https://r.voicy.jp/7GVlEEDZK0g

 

7.   なぜ bottle の発音は t を読まないの?

 

8.  なぜ c は「ク」とか「キャ」と読むの?

 

9.  なぜ knife の k は読まないの?

 https://r.voicy.jp/LaVkOzRNVyJ

 

10.   なぜ英語が世界共通語なのですか?

 https://r.voicy.jp/W6mG2pdPKyA

 

〈中学生の部〉

11.   be 動詞が主語に応じて is, am, are と形を変えるのはなぜですか?

 https://r.voicy.jp/EGV3bM4L9yb

 https://r.voicy.jp/6MmON8MGKEG

 

12.   序数の形について,なぜ first, second, fifth は変な形なのですか?

https://r.voicy.jp/jwmY18x5m1a

https://r.voicy.jp/xAK6lp289ba

https://r.voicy.jp/LaVkooMNVyJ

 

13.   疑問文で does が出ると動詞の -s がなくなるのはなぜですか?

 

14.   英語やアルファベットは誰が作ったのですか?

http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2009-05-09-1.html

 

15.   なぜ接続詞の that は省略できるのですか?

 

16.   なぜ be 動詞と一般動詞は一緒に使えないのですか?

(リンクがないところは私の力不足で該当箇所を見つけられませんでした。すみません。)

 

私が子どもたちからこのような質問を受けたら、間違いなく即答は不可能です。しかし堀田先生は即答で、しかも英語史の観点からお答えいただくので、子どもたちも「なるほど!」と感じられたことが多かったのではないかと思います。

 

子どもたちにとっては初めてのラジオ出演ということもあり、自分の出番が終わったら安堵感から寝てしまう子もいましたが、みんな貴重な経験が出来て良かったようです。

 

以下、参加してくれた子どもたちの感想の抜粋です。

 

・ぼくも出れてうれしいです。ラジオででるのはきんちょうしたけど、ほった先生がいたからちゃんとできました。(小2)

 

・すこしむずかしかったけれど、楽しかったです。えい語の気になっていたことやふしぎだったことまで、よくわかりました。(小2)

 

・もっと色いろなことを知りたいです。先生のすてきなすがたを見て、これからもいっぱいえいごをおぼえたいです。(小2)

・後半の中学生のしつ問は少しむずかしかったけど、いろんなことがわかりました。たくさんの話、おもしろかったです。(小4)

 

・わたしは1日でいっぱいえいごのことをしって、どんどんえいごがすきになりました。またいつかこうゆうきかいがほしいです。(小4)

 

・c とk だけが同じ音だと思ったのに、quも同じ音だと知ってびっくりしました。これからももっと英語のことを知りたいなぁと思いました。(小4)

 

・bottle のt が2つとなりにあるときは、なぜtの音が発音されないの?の理由が聞けて、とてもうれしかったです。(小4)

 

・しつ問にわかりやすく教えてくださり、ありがとうございました。しつ問している人たちや先生を見て、英語にきょうみをもちました。(小4)

 

・ラジオ楽しかったです!!特にあの空気感などがおもしろかった。中学生の難しい質問に答えられるなんて、さすが堀田先生だと思います。(小5)

 

・いろいろ知らないことを面白く知ることができ、とても楽しかったです。またやりたいなと思いました。とてもわかりやすいお話でした。(小5)

 

・歴史の話が混ざり合いながら説明してくれるので、英語がどのように変化していったのか説得力がありました。帰り道にお母さんと英語の話をして楽しかったです。(中1)

 

・どんなに難しい質問にも、一人一人ていねいに教えてくださって、とても勉強になりました。これからもたくさんのぎ問をもって、英語を楽しみたいと思います。(中1)

 

・初めて大学の先生に生で質問をして答えてもらって、ちょっとわからない語句とかあったけど、先生がわかりやすく教えてくださったおかげでとっても勉強になりました。(中1)

 

・質問の「誰が英語を作った」などは、研究する中でとても難しいと教えていただきました。なのでぜひ堀田先生にその謎を解明してください。ぼくもたくさん英語をがんばります。(中1)

 

・今回のような体験はなかなかできないと思うので、経験できて本当によかったなと思うし、先生が答えてくれた回答を友達や家族に教えていきたいと思いました。(中3)

 

・大好きな英語についての新しい知識が身につけられて嬉しかったです。どんな回答もとても興味深く、歴史に関係するのもあっておもしろかったです。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。(中3)

 

 

…子どもたちにとって、普段とはまったく違う角度から英語を眺めることができ、興味が増したようです。本当に素晴らしい体験をさせていただきました堀田先生には、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

ぜひまた佐久に来てください‼︎

 

さて、2025年が始まります。

皆さんはどんな年にしたいですか?

今年も1年ありがとうございました。

来年も一緒に楽しく頑張っていきましょう♪

2024.9.18
カテゴリー: 教室だより

2024年9月号「know, often, hourはなぜ読まない字があるの?」

2024年9月号「know, often, hourはなぜ読まない字があるの?」

昨夜は、中秋の名月を雲の隙間からほんの一瞬だけ拝むことができました。

9月も後半になったというのに、日中は30℃を超える暑さが続いていますが、それでも朝晩はいくらか秋の気配を感じるようになりました。

 

教室では、ハロウィンの学習発表会に向けて、少しずつスピーチの練習をし始めています。そんな中、最近小学校高学年クラスでは、「今日、英語の話ある?」と、子どもたちからの素朴な疑問に答えるこのお話を楽しみにしてくれている子がいるようで、とても嬉しく思います。今年のハロウィン・パーティでは、この「小学生版・英語史クイズ」をやろうかと考えています。

 

ということで、今月は小5男子からの質問で「know, often, hourはなぜ読まない字があるの?」です。

 

knowだけでなく、<k>で始まり、それを発音しない単語は knife(ナイフ)、knight(騎士)、knee(膝)、knock(ノックする)、knit(編む)、knob(ドアノブ)、knot(結び目)、knead(こねる)など、たくさんありますね。なんで読まないのに書いてあるの?書いてあるなら読めば?…という疑問は、子どもだけでなく、大人でも持っている人は多いと思います。

 

実はこの<k>の文字は、昔は「ちゃんと読まれていた」のです。

300年くらい前までは発音されていたのが、17世紀末から18世紀にかけて、kn-で始まる単語の<k>の音は徐々に脱落していきました。

know /knou/ →
/hnou/ → /nou/

クノウ → フノウ → ノウ

という感じです。

 

kn- で始まる単語だけでなく、gn-で始まる単語、gnaw(かじる)、 gnash(歯ぎしりする)も同じです。<k>や<g>の音は発音しなくなったのに、綴り字はすでに固定していたため、文字と音がちぐはぐになってしまったのですね。

 

では、oftenの<t>はどうでしょう。

これも17世紀までは発音されていましたが、18~19世紀に<t>の音が脱落してしまったのです。often の綴りと音をよく見ると、<f> <t> <n>と子音が3つ繋がっています。このように、3つの子音の連続において、真ん中の子音が脱落する傾向にあるようです。castle(城)、Christmas(クリスマス)、listen(聞く)、soften(柔らかくする)もこの仲間です。

しかしおもしろいことに、「文字があるなら読もう」と、近年 /ɑːftn, ɔːftn/ のように<t>を発音する人が増えてきているようです。

 

最後に、hourの発音しない<h>について考えてみます。

<h>の音は最初から発音されずに文字だけありましたhour(時間)、honest(正直な)、hono(u)r(名誉)、heir(相続人)など、これらに共通するのは「すべてフランス語から入ってきた語である」と言うことです。フランス語では<h>は発音されませんし、その元のラテン語もそうです。ですから、発音しないけれど綴り字はそのまま残った、と言えそうです。

 

ただ、同じフランス語から借用した語であっても、habit(習慣)、heritage(遺産)、history(歴史)、hospital(病院)、host(主人)、human(人間の)などは<h>を発音するため、なぜhourやhonestでは<h>を発音しないのかは、残念ながらはっきりと説明できないところです。

 

…と今回は以上です。そして小学生の感想はこんな感じでした。

 

「know(クノウ)やoften(オフトゥン)は学校で英語の先生に使ってみようよ!」

 

「みんなでoften(オフトゥン)を言い続ければ、学校で教わる発音も(オフトゥン)に変わるよね?!おれらでまた発音変えていこうぜ!」

 

おぉ、なんと頼もしい~。

 

 

 

<参考文献>

『英語語源辞典』〔縮刷版〕、研究社、2022年

『ジーニアス英和辞典』〔第6版〕、大修館書店、2023年

堀田隆一『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』研究社、2017年

#31. なぜ know の k は読まないの? | 堀田隆一(英語史研究者) #heldio「英語の語源が身につくラジオ
(heldio)」/ Voicy – 音声プラットフォーム

 

#3941. なぜ ”hour”, ”honour”, ”honest”, ”heir” では ”h” が発音されないのですか? (keio.ac.jp)

2024.8.31
カテゴリー: 教室だより

2024年8月号「ローマ字と英語はどう違うの?」

2024年8月号「ローマ字と英語はどう違うの?」

↑帰ってきたウルトラマン!

6月号で紹介した「はらぺこあおむし」が、華麗に変身して帰ってきました。おかえり!

 

全国的に比べると夏休みが短い長野県ですが、今年は例年よりもほんの少しだけ長かったようです。

しかし、気がつけばあっという間に夏休みは終わり、すでに2学期が始まっております。楽しい時間はすぐに過ぎてしまいますね~。皆さま、充実した良いお休みが過ごせたでしょうか。

 

毎年夏休み中は特別課題として、CD・DVDを聞く(リスニング)、リピートする(スピーキング)、音読をする(リーディング)、ノートに単語を練習する(ライティング)を毎日行っていただく宿題を出しています。

 

 

暑くてかったるいし、面倒くさい、遊びたい…と、集中して課題に取り組めない要素が盛りだくさんの夏休みは、なかなか毎日決まった時間に英語の勉強をするというのは難しいことです。

しかし、英語だけでなく、毎日決まった時間に机に向かって勉強することをルーティン化してしまえば、身体が「やらなきゃ」モードになり、自然とできるようになるはず。

ぜひ、ルーティン化できるようにがんばっていきましょう!

 

 

さて、今月のお題は

「ローマ字と英語ってどうちがうの?」(←ローマ字なんて、やんなくたっていいじゃん!)

…という、小5男子からの質問(文句?!)です。

 

今は小学校3年生でローマ字を学習し、同時に少しずつ英語にも触れていくと思うのですが、「ローマ字はなんのためにあるの?」という、そもそもの存在意義がイマイチよくわかっていない子が多いようですね。

そのせいで、中学生になってもローマ字綴りの癖が抜けずに“make”が”meiku” に、”take” が “teiku” になってしまったりするわけです。

 

ところで「ローマ字」って、使われているアルファベットは英語と同じ文字ですね。

 

これらは「ローマン・アルファベット」と呼ばれ、今から2,800年ほど前にエトルリア文字がローマに伝わり、そこから派生したものです。大文字AからZ、小文字aからzまでのそれぞれ26文字は、英語だけでなく他にもイタリア語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語 、オランダ語、スウェーデン語、デンマーク語、 ノルウェー語、ドイツ語など、非常に多くの言語で同じ文字が使用されています。

 

では、日本では最初から英語ではなく、なぜわざわざ「ローマ字」を学習するのでしょう。

 

小学校学習指導要領の国語科によると、「第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くこと」が目標に掲げられていますが、そもそも「ローマ字」とは「ローマン・アルファベット」のことですから、私たちが学んでいるのは「日本語をローマン・アルファベットで表したもの」というわけです。

 

では、なぜ日本語をアルファベットで表す必要があるのかというと、ローマ字表記が添えられた駅の看板や道路標識などをあちこちで目にしますが、それらを読めなければなりません。

地名の漢字が難しくて読めないときは、ローマ字があるとわかりやすいですよね。それに自分の名前や住んでいるところを他の国の人たちに伝えたいときには、ローマ字で書く必要性もでてきます。

さらには、パソコンのキーボードで日本語を入力するときにもローマ字で入力したりしますね。

 

こうした理由から、現在は小学校の3学年から、国語の時間の中で、ローマ字を学習しています。

しかし、ローマ字のつづり方は、日本語の音が子音と母音の組み合わせで成り立っている「訓令式」または「日本式」と呼ばれるつづり方で習うのが一般的なようです。

これは昭和29年に内閣告示されたもので、母音 a, i, u, e, oにカ行は k, サ行は s, タ行は t …のように子音を合わせて作られていますので、シンプルで覚えやすいですね。

 

ところが、この訓令式の表し方ですと、英語話者にとって違う音に読めてしまうものがあります。

例えば、「シ」は訓令式で “si” ですが、これだと「スィ」と読まれてしまいます。

そこで、h を加えて ”shi” のようにつづる必要性が出てきます。

これをジェームス・カーティス・ヘップバーン(ヘボン)さんが考案した「ヘボン式」ローマ字と呼び、日本語の発音を英語話者にも正しく読めるようにしたものです。「シ」の他にも、「チ」“ti” → “chi”、「ツ」”tu” → “tsu”、「フ」”hu” → “fu”、などがあり、パスポートなどの氏名表記には、このヘボン式が用いられています。

 

このように、日本人にわかりやすい文字の規則性で表した「訓令式」と、外国人向けの発音の明確さで表した「ヘボン式」があるものの、「ローマ字」は日本人の名前や地名など、日本語を海外の人たちに理解していただくために必要だということです。

 

これで「ローマ字」と「英語」の違いと、「ローマ字」学習の必要性はわかったかな?

 

…質問者を始め、3年生以上の小学生全クラスに伝えたところ、あっさりと納得してくれたようで、こちらとしては逆に「えっ?あんなにローマ字はいらねぇって言ってたのに、もういいの?」…と拍子抜けしました。

 

特に感想もなく、「わかった」でおしまい。

あらま。

 

 

<参考文献>

文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)第2章 第1節 国語

https://www.mext.go.jp/content/20230120-mxt_kyoiku02-100002604_01.pdf

 

小学校学習指導要領解説

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1231931_02.pdf

 

文化庁 小学校学習指導要領(国語)等におけるローマ字の扱い

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/kokugo_kadai/iinkai_51/pdf/93718601_08.pdf

堀田隆一『英語史で解きほぐす英語の誤解-納得して英語を学ぶために』中央大学出版部、2016年