「しゃべる」を引き出すメソッドがある。それが、ECCジュニア!

佐久塚原教室

サクツカバラキョウシツ

土曜日開講

土曜日開講

幼児歓迎

幼児歓迎

お問い合わせ

HP専用ダイヤル

(講師直通)

050-5272-2947

※お問い合わせ専用ダイヤルです。営業を目的とした連絡は固くお断りします。

教室日誌一覧

2025.1.24
カテゴリー: 教室だより

2025年1月号「なんでgoの過去形はwentなの?」

2025年1月号「なんでgoの過去形はwentなの?」

↑写真は日本画家の牧野伸英氏の作品です。小中学校の同級生です!

この白蛇さんに紛争や災害のない平和な1年となることを切に願いたいと思います。

 

新しい年が始まりましたが、中3生はすでに受験に向けて猛勉強しております。幸い(?)今年は高3生がいないため、例年よりは余裕はあるかと思いますが、それでもなんだか落ち着かない毎日です。

 

今月は小学校中級クラスにて過去形が登場し、規則動詞の後に不規則動詞が出てきました。

そこですかさず、小3男子から「なんでgoの過去形はwentなの?」という質問が出ましたので、これを取り上げたいと思います。

 

いくら不規則変化とは言え、have-had, make-made, see-sawなどのように少しでも同じ文字が使われていればあまり不思議には思いませんが、go-wentは1文字も一致していませんので、当然このような質問は出てきますよね。私自身も初めて習ったときは、なんでその形?と思いました。笑

 

語源辞典によると、goには「歩く、行く、旅する」という意味がありました。古英語ではgogānと綴られ、その過去形、過去分詞は北部では現在形から造られた gaed-gegānという形をしていました。これだけ見ると、過去形は規則変化、過去分詞はやや不規則な変化のようにも見えます。

 

しかし、過去形には別語根の単語であるēode, ēodonも用いられていました。それが中英語期に yede, yode に発達し、それが15世紀になると南部から次第にwend「向かう、向ける」という別単語の過去形であるwent に取って代わられるようになりました。

 

このように語形変化の一部に、別語根の語に入り込んでしまうことを「補充法(suppletion)」と呼びます。英語ではたびたびこのような補充法が適用されており、先日の堀田先生のお話にも登場しましたが、be動詞の活用などもその例です。amやisの過去形、過去分詞がwas-wereと、まったく違う形をしているのも、別の語源の単語がすっぽりそこに入り込んでしまったためということです。

 

小学生にはここまで詳しい説明はしませんでしたが、「違う単語の過去形とくっついちゃったんだよ」という話をしたところ、ほとんどの子が「...」という感じで、感想はほとんどなし…でした。反論できなかったのかな。

 

もっと上手く説明できたらよかったのに…と、後になって考えてみました。

日本語で「行く」の過去形が「行った」でなく「行きはった」「上がった」のような関西弁が標準語の過去形になったと考えたら、わかりやすかったかも。

 

さて、今週末は英検®があります。

さらには英検®Jr. やECCのインタビューテストなど、試験が続きます。

まずは受験生の皆さん、体調を崩さずに最後まで突っ走ってください。

みんな頑張ろう!

2024.12.24
カテゴリー: 教室だより

教室だより2024年12月号「堀田隆一教授ご来訪!」

教室だより2024年12月号「堀田隆一教授ご来訪!」

教室だよりとしては、3ヶ月ぶりの更新となってしまいました。

 

10月はハロウィンの学習発表会がありましたので、イベントページをご覧ください。そして11月はECC児童英語検定試験の実施、保護者懇談会と続き、あっという間に12月、そして1年が終わろうとしています。

 

そのような中で、去る12月8日(日)に驚くべきイベントがありました。

 

な、なんと!

慶應義塾大学文学部教授の堀田隆一先生が佐久にお越しくださり、当教室の生徒たちからの英語の質問に次々とお答えいただく「千本ノック」が開催されたのです!

 

こんな夢のようなことが起こるのでしょうか!

私が普段拝聴させていただいているラジオ番組の先生が、突然番組を飛び出して目の前で生徒たちからの質問を受けてくださっているのですから!

そして、このような幸運な機会に参加してくれた子どもたちは全部で16名。保護者の皆さまにも見守っていただき、堀田先生におかれましても初の「小中学生からの質問」による千本ノックが始まりました。

 

大興奮の当日の様子は生放送にて「Voicy」という音声プラットフォームにて放送され、翌日アーカイブにても配信されました。さらに、堀田先生のホームページである「hellog」にても紹介いただいております!

 

配信は以下よりお聴きいただけます。

前半<小学生の部>

「#1289. 佐久平千本ノック(1)—小中学生の皆からの素朴な疑問」

 

後半<中学生の部>

「#1292. 佐久平千本ノック(2)—小中学生の皆からの素朴な疑問」

 

生徒の皆さんからはとても良い質問を出していただいたと思います。堀田先生には子どもたちにもわかりやすい言葉で、丁寧にご説明いただきました。当日の回答については、上記のリンクからお聴きいただけますが、以下に子どもたちからの質問と、通常のラジオ番組にて、またはホームページ上にて先生が回答されている関連回のリンクを貼っておきます。

 

<小学生の部>

1.   なぜ1のワンは one と書くの?

https://r.voicy.jp/RY91ZqnQVqG

 

2.  なぜ筆記体ができたの?

http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-04-23-1.html

 

3.  なぜ大文字と小文字で違う形の文字があるの?

http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2019-05-13-1.html

 

4.   アルファベットの形はどんな理由で決まったの?

https://r.voicy.jp/GZV0lBRMVW7

 

5.   なぜ deer, sheep, fish の複数形には -s がつかないの?

https://r.voicy.jp/079XEEv0Ven

 

6.  なぜ c と k で同じ発音をするの?

https://r.voicy.jp/7GVlEEDZK0g

 

7.   なぜ bottle の発音は t を読まないの?

 

8.  なぜ c は「ク」とか「キャ」と読むの?

 

9.  なぜ knife の k は読まないの?

 https://r.voicy.jp/LaVkOzRNVyJ

 

10.   なぜ英語が世界共通語なのですか?

 https://r.voicy.jp/W6mG2pdPKyA

 

〈中学生の部〉

11.   be 動詞が主語に応じて is, am, are と形を変えるのはなぜですか?

 https://r.voicy.jp/EGV3bM4L9yb

 https://r.voicy.jp/6MmON8MGKEG

 

12.   序数の形について,なぜ first, second, fifth は変な形なのですか?

https://r.voicy.jp/jwmY18x5m1a

https://r.voicy.jp/xAK6lp289ba

https://r.voicy.jp/LaVkooMNVyJ

 

13.   疑問文で does が出ると動詞の -s がなくなるのはなぜですか?

 

14.   英語やアルファベットは誰が作ったのですか?

http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2009-05-09-1.html

 

15.   なぜ接続詞の that は省略できるのですか?

 

16.   なぜ be 動詞と一般動詞は一緒に使えないのですか?

(リンクがないところは私の力不足で該当箇所を見つけられませんでした。すみません。)

 

私が子どもたちからこのような質問を受けたら、間違いなく即答は不可能です。しかし堀田先生は即答で、しかも英語史の観点からお答えいただくので、子どもたちも「なるほど!」と感じられたことが多かったのではないかと思います。

 

子どもたちにとっては初めてのラジオ出演ということもあり、自分の出番が終わったら安堵感から寝てしまう子もいましたが、みんな貴重な経験が出来て良かったようです。

 

以下、参加してくれた子どもたちの感想の抜粋です。

 

・ぼくも出れてうれしいです。ラジオででるのはきんちょうしたけど、ほった先生がいたからちゃんとできました。(小2)

 

・すこしむずかしかったけれど、楽しかったです。えい語の気になっていたことやふしぎだったことまで、よくわかりました。(小2)

 

・もっと色いろなことを知りたいです。先生のすてきなすがたを見て、これからもいっぱいえいごをおぼえたいです。(小2)

・後半の中学生のしつ問は少しむずかしかったけど、いろんなことがわかりました。たくさんの話、おもしろかったです。(小4)

 

・わたしは1日でいっぱいえいごのことをしって、どんどんえいごがすきになりました。またいつかこうゆうきかいがほしいです。(小4)

 

・c とk だけが同じ音だと思ったのに、quも同じ音だと知ってびっくりしました。これからももっと英語のことを知りたいなぁと思いました。(小4)

 

・bottle のt が2つとなりにあるときは、なぜtの音が発音されないの?の理由が聞けて、とてもうれしかったです。(小4)

 

・しつ問にわかりやすく教えてくださり、ありがとうございました。しつ問している人たちや先生を見て、英語にきょうみをもちました。(小4)

 

・ラジオ楽しかったです!!特にあの空気感などがおもしろかった。中学生の難しい質問に答えられるなんて、さすが堀田先生だと思います。(小5)

 

・いろいろ知らないことを面白く知ることができ、とても楽しかったです。またやりたいなと思いました。とてもわかりやすいお話でした。(小5)

 

・歴史の話が混ざり合いながら説明してくれるので、英語がどのように変化していったのか説得力がありました。帰り道にお母さんと英語の話をして楽しかったです。(中1)

 

・どんなに難しい質問にも、一人一人ていねいに教えてくださって、とても勉強になりました。これからもたくさんのぎ問をもって、英語を楽しみたいと思います。(中1)

 

・初めて大学の先生に生で質問をして答えてもらって、ちょっとわからない語句とかあったけど、先生がわかりやすく教えてくださったおかげでとっても勉強になりました。(中1)

 

・質問の「誰が英語を作った」などは、研究する中でとても難しいと教えていただきました。なのでぜひ堀田先生にその謎を解明してください。ぼくもたくさん英語をがんばります。(中1)

 

・今回のような体験はなかなかできないと思うので、経験できて本当によかったなと思うし、先生が答えてくれた回答を友達や家族に教えていきたいと思いました。(中3)

 

・大好きな英語についての新しい知識が身につけられて嬉しかったです。どんな回答もとても興味深く、歴史に関係するのもあっておもしろかったです。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。(中3)

 

 

…子どもたちにとって、普段とはまったく違う角度から英語を眺めることができ、興味が増したようです。本当に素晴らしい体験をさせていただきました堀田先生には、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

ぜひまた佐久に来てください‼︎

 

さて、2025年が始まります。

皆さんはどんな年にしたいですか?

今年も1年ありがとうございました。

来年も一緒に楽しく頑張っていきましょう♪

2024.9.18
カテゴリー: 教室だより

2024年9月号「know, often, hourはなぜ読まない字があるの?」

2024年9月号「know, often, hourはなぜ読まない字があるの?」

昨夜は、中秋の名月を雲の隙間からほんの一瞬だけ拝むことができました。

9月も後半になったというのに、日中は30℃を超える暑さが続いていますが、それでも朝晩はいくらか秋の気配を感じるようになりました。

 

教室では、ハロウィンの学習発表会に向けて、少しずつスピーチの練習をし始めています。そんな中、最近小学校高学年クラスでは、「今日、英語の話ある?」と、子どもたちからの素朴な疑問に答えるこのお話を楽しみにしてくれている子がいるようで、とても嬉しく思います。今年のハロウィン・パーティでは、この「小学生版・英語史クイズ」をやろうかと考えています。

 

ということで、今月は小5男子からの質問で「know, often, hourはなぜ読まない字があるの?」です。

 

knowだけでなく、<k>で始まり、それを発音しない単語は knife(ナイフ)、knight(騎士)、knee(膝)、knock(ノックする)、knit(編む)、knob(ドアノブ)、knot(結び目)、knead(こねる)など、たくさんありますね。なんで読まないのに書いてあるの?書いてあるなら読めば?…という疑問は、子どもだけでなく、大人でも持っている人は多いと思います。

 

実はこの<k>の文字は、昔は「ちゃんと読まれていた」のです。

300年くらい前までは発音されていたのが、17世紀末から18世紀にかけて、kn-で始まる単語の<k>の音は徐々に脱落していきました。

know /knou/ →
/hnou/ → /nou/

クノウ → フノウ → ノウ

という感じです。

 

kn- で始まる単語だけでなく、gn-で始まる単語、gnaw(かじる)、 gnash(歯ぎしりする)も同じです。<k>や<g>の音は発音しなくなったのに、綴り字はすでに固定していたため、文字と音がちぐはぐになってしまったのですね。

 

では、oftenの<t>はどうでしょう。

これも17世紀までは発音されていましたが、18~19世紀に<t>の音が脱落してしまったのです。often の綴りと音をよく見ると、<f> <t> <n>と子音が3つ繋がっています。このように、3つの子音の連続において、真ん中の子音が脱落する傾向にあるようです。castle(城)、Christmas(クリスマス)、listen(聞く)、soften(柔らかくする)もこの仲間です。

しかしおもしろいことに、「文字があるなら読もう」と、近年 /ɑːftn, ɔːftn/ のように<t>を発音する人が増えてきているようです。

 

最後に、hourの発音しない<h>について考えてみます。

<h>の音は最初から発音されずに文字だけありましたhour(時間)、honest(正直な)、hono(u)r(名誉)、heir(相続人)など、これらに共通するのは「すべてフランス語から入ってきた語である」と言うことです。フランス語では<h>は発音されませんし、その元のラテン語もそうです。ですから、発音しないけれど綴り字はそのまま残った、と言えそうです。

 

ただ、同じフランス語から借用した語であっても、habit(習慣)、heritage(遺産)、history(歴史)、hospital(病院)、host(主人)、human(人間の)などは<h>を発音するため、なぜhourやhonestでは<h>を発音しないのかは、残念ながらはっきりと説明できないところです。

 

…と今回は以上です。そして小学生の感想はこんな感じでした。

 

「know(クノウ)やoften(オフトゥン)は学校で英語の先生に使ってみようよ!」

 

「みんなでoften(オフトゥン)を言い続ければ、学校で教わる発音も(オフトゥン)に変わるよね?!おれらでまた発音変えていこうぜ!」

 

おぉ、なんと頼もしい~。

 

 

 

<参考文献>

『英語語源辞典』〔縮刷版〕、研究社、2022年

『ジーニアス英和辞典』〔第6版〕、大修館書店、2023年

堀田隆一『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』研究社、2017年

#31. なぜ know の k は読まないの? | 堀田隆一(英語史研究者) #heldio「英語の語源が身につくラジオ
(heldio)」/ Voicy – 音声プラットフォーム

 

#3941. なぜ ”hour”, ”honour”, ”honest”, ”heir” では ”h” が発音されないのですか? (keio.ac.jp)