英検®3級の英作文、実は「英語力」だけの問題ではない?
前回に引き続き、少し国語のお話です。
ただし今回は、英語と国語のつながりについて。
先日の英検®3級対策で英作文を指導していて、ちょっと考え込んでしまいました。
英単語を知らないわけではない。
基本的な英文も作れる。
質問の意味も分かっている。
それなのに、
「さて、何を書こう?」
というところで手が止まってしまう子が、思った以上に多かったのです。
これ、本当に英語力だけの問題なのかな?
そんなことを考えました。
英検®3級の英作文は、意外と難しい
英検®3級のライティングには、質問に対して自分の考えを書く英作文があります。難しい質問ではないのですが、準2級の作文の方が簡単と思うぐらいに書けない生徒さんが多いです。
たとえば、こんな質問です。
What do you drink in the morning?
朝、何を飲みますか?
※英検®3級の出題形式をイメージして、私が作った例です。
I drink water in the morning.
ここまでは書けます。
ところが、
「どうして水を飲むの?」
と聞くと、
「…………。」
ここで止まってしまうことがあります。
理由をえるところで止まってしまうことです。
英語じゃなくて、日本語でいいよ
そこで、
「英語じゃなくていいよ。日本語だったらどう答える?」
と聞いてみます。
それでも、
「うーん……」
となることがあります。
となると、これは英単語や英文法だけの問題ではなさそうです。
「私はこう思う。なぜなら……」
と、自分の考えを言葉にする力。
ここに国語力が関係しているのではないでしょうか。
実は、国の調査でも「書くこと」は課題になっています
これは私が教室で感じているだけのことでもありません。
文部科学省・国立教育政策研究所の「全国学力・学習状況調査」では、国語で自分の考えを文章にまとめる問題も出されています。
少し以前の調査ですが、とても興味深いデータがあります。
記述式問題を無解答にした小学6年生に、その理由を尋ねたところ、「難しくて解答できなかった」と答えた児童のうち、
約42%が「何を取り上げて書いたらよいのか分からなかった」
と答えています。
私は、この数字がとても気になります。
漢字が書けないとか、文法を知らないとか、その前に、
「何を書けばいいのか分からない」
のです。
英検®3級の英作文で私が感じたことと、どこか重なります。
私たちの子どもの頃は、もっと書いていたような?
ここからはデータではなく、私自身の実感です。
私たちが小学生だった頃は、読書感想文、作文、日記……。
「また作文かあ」と思うくらい(笑)、何かと文章を書かされた記憶があります。
ところが今、子どもたちを見ていると、まとまった文章を自分で考えて書く経験が、以前より少なくなっているのでは?と感じることがあります。
実際、転勤で東京へ引っ越されたご家庭から学校の様子を伺っても、「作文やレポートを書く機会が札幌より多いな」と感じることがあります。もちろん、学校や先生によって違いますから、一概には言えません。
だからこそ、家庭でも教室でも、意識して「読む・考える・書く」機会を作ることが大切なのだと思います。
英作文の前には「考える」がある
英作文というと、
「単語を覚えなくちゃ」
「文法を覚えなくちゃ」
と思います。
もちろん、それも必要です。
でも、その前に、
何を書く?
なぜそう思う?
どう伝える?
があります。
まず考えがあって、それを英語にする。
ですから、日本語で「なぜ?」に答える練習は、英語とは無関係ではありません。
むしろ、将来、自分の考えを英語で伝えるための土台になります。
だから、小学生のうちから「読んで、書こう」
難しい作文を毎日書く必要はありません。
まずは、本を読む。
そして、
「どこがおもしろかった?」
「誰が好きだった?」
「どうしてそう思ったの?」
と話してみる。
さらに、ときどき、それを短くてもいいから書いてみる。
「この本、おもしろかった。」
で終わらず、
「なぜなら……」
を一つ足してみる。
それだけでも立派な練習です。
英語と国語は、学校では別々の教科です。
でも、
読む。考える。自分の言葉にする。書く。
この力は、国語にも英語にもつながっています。
小学生のみなさん、本を読もう。そして、ちょっと書いてみよう。
「私はこう思う。だってね……」
その「だってね」の続きを考えられる力を、小学生のうちから大切に育ててほしいと思います。
英検®3級の英作文を指導しながら、改めてそんなことを感じました。
【参考】
全国学力・学習状況調査(国立教育政策研究所)
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/zenkokugakuryoku.html?utm_source=chatgpt.com
