2026.8.3 #125 “get”
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第125回は “get” 「得る、手に入れる」です。
今から800年くらい前の中英語期に古ノルド語 geta(得る、つかむ)から入ってきました。印欧祖語の *ghe(n)d-(つかむ、取る)に基づいていると考えられています。ちなみに /gh/ → /g/, /d/ → /t/ の音の変化は「グリムの法則」で説明できます。
英語本来語に gietan という get に対応する語がありましたが、それは現在まで残らずに、古ノルド語由来の get が残りました。take と同様、超基本動詞が外国から入ってきた語に置き換わった例ですね。
get は不規則変化の動詞で get – got – got, gotten と現在2通りの過去分詞がありますね。
中英語期では get(e) – gat – getten, gotten の活用でした。これが近代英語期に gotten の影響から過去形が got になりました。また、過去分詞も他の動詞の活用 (bear – bore – born, steal – stole – stolen など)に倣って getten が使われなくなり、さらには gotten の -en が省略されて got が現れ、現在の活用の形となったのです。
get – got – got, gotten の過去分詞 got は主にイギリスで、gotten は主にアメリカで使われるようです。
また、意味も「得る」だけでなく、
「…させる」Try to get her to come to the party.
「…になる」Get well soon.
「…される」I got my finger cut while I was cooking.
などの意味は15~16世紀から。さらに
「受け取る」(=receive) get a mail
「理解する」(=understand) get the point
「着く」(=arrive at) get home
「…するようになる」get to know each other
など、さまざまな意味の使い方が増えています。
古ノルド語由来の take と get の意味の拡大は恐るべしです。
