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教室日誌一覧

2026.7.31
カテゴリー: 教室だより

2026.7.31 #122 “daughter”

2026.7.31 #122 “daughter”

『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第122回は “daughter” 「娘」です。

 

まず、子どもたちの疑問は「なんでムスメは(ムスコに比べて綴りが)長いの?」「なんで読まない gh があるの?」というものです。語源を調べることで疑問が解決できるでしょうか…。

 

daughter は古英語期から見られる英語本来語です。
古英語での綴りは dohtor でした。印欧祖語の *dhughəter(娘)に由来しています。おーなるほど!息子 son(古英語では sunu)と比べて綴りが長いのは「英語のご先祖さまから長かった!」のですね。

 

発音の変化はどうでしょう。
印欧祖語 *dhughəter の /dh/ の音が /d/ に変わったのは「グリムの法則」で説明できます。
古英語 dohtor(ドホト)から綴りが少しずつ変化し、最初の母音 “o” の綴りは a, aa, ai, au, e, o, oe, oi ou, ow, oy など、さまざまに綴られたようです。

 

その中でも16世紀くらいまで doughter(ドクスタ  ← gh は /x/ と発音された)が主に用いられ、それ以降は南部起源の daughter(ドータ )となりました。
「gh は 当初 /x/ と発音されていたのが発音されなくなり、綴りだけが残った」のと、au の綴りはバリエーション豊富な中からこれが残り、発音は /o/ → /ɔu/ → /ɔː/ と変化したのでした。

 

英語以外のゲルマン語(兄弟語)にも印欧祖語の形が残っていますね。
古ノルド語    dottir
アイスランド語  dóttir
デンマーク語.          datter
ノルウェー語.          datter
スウェーデン語.      dotter
ドイツ語.                 Tochter
オランダ語.             dochter

 

歴史を見たら
「英語のご先祖さまから長かった!」
「gh は 当初 /x/ と発音されていたのが発音されなくなり、綴りだけが残った!」
がわかってスッキリしたかな?

2026.7.30
カテゴリー: 教室だより

2026.7.30 #121 “car / carry”

2026.7.30 #121 “car / carry”

今日も参観日でした。そう言えば、今年の夏休みは3人の生徒たちがアメリカ、オーストラリア、エストニアへと飛び立ちます!うらやましいなぁ〜。

 

『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第121回は “car / carry”「車」「運ぶ」です。

 

car は今から約700年前の14世紀にフランス語 (アングロ・フレンチ、古ノルマン・フレンチ) carre から入ってきました。ラテン語の carrum (二輪の馬車)からきていますが、ケルト語の *karros (馬車)に由来しています。中英語 carre は「走るもの」の意味で、「馬車、戦車」を表していました。「自動車」は19世紀の終わりからの新しい意味です。

 

carry はそれよりも少し遅れて、やはりフランス語 carier (馬車で運ぶ) から入ってきました。古ノルマン・フレンチの carre に由来していますので、car と同じ語から出ていることになりますね。また carrige (馬車、運搬)も carier からきています。carry の中英語での綴りは cariage で「運ぶ、伝える、携える、伴う」などの意味で使われていました。

 

どちらの語も印欧祖語の *kers-(走る)に基づいています。たくさんの語がここからででいます。
フランス語由来では charge (詰める)、career (経歴)、carpenter (大工)、chariot (二輪馬車)、current (流れ)、occur (起こる) などがあります。
スペイン語由来では cargo (積荷)などですが、遡るとこれらの語はすべてラテン語に由来しています。
また、英語本来語としては horse (馬)も*kers-(走る)に基づくとの説があるようですよ。

 

いずれも「走っている」感がありますね。

2026.7.29
カテゴリー: 教室だより

2026.7.29 #120 “band”

2026.7.29 #120 “band”

今日も幼児クラス、中学生クラスの参観を行いました。幼児さんはお母さんたちがいると嬉しそうですね(^^) 指示していないのに、ホワイトボードの前に立ち、しっかりお母さんたちの方を向いて歌やダンスの発表ができました!

 

『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第120回は”band” 「紐、帯、輪ゴム、バンド、集団」です。

 

今から900年ほど前の12世紀に古ノルド語 band から入ってきました。中英語では bond, band の綴りで「縛るもの、紐、帯」の意味でした。これは英語本来語の bind 「縛る」と同じ語源になります。

 

また、同じ時期に古フランス語 bande, bende から入ってきたという説もあるようです。中英語でもbande, bende の綴りで「平らな紐、リボン」の意味で用いられていました。こちらは bend「曲げる、結びつける」、bond「絆、結束、接着剤」とも同じ語源になります。

 

ちなみに、band「縛るもの、紐、帯」とbond「絆、結束、接着剤」は、近代英語期になって意味が分かれましたが、中英語までは同じ単語で方言による違いだけだったようです!

 

そして、いずれもゲルマン祖語 *bendan-(縛る)、印欧祖語 *bhendh- (縛る)に基づいていますので、すべて語源は同じということになりますね。他にも オランダ語からbundle「束、かたまり、組」、フランス語からbandage「包帯」、ribbon「リボン」、サンスクリット語からbandana「バンダナ」、そして15世紀末にフランス語から band「隊、楽隊、バンド、集団」も、一団の兵士が目印に同じ色の帯や布をつけていたことから、同じ語源と見られています。

 

すべて「結びつけるもの、結びつけられたもの繋がり」ですね。