夏休み前の最後の1週間のスタートです。明日からは参観レッスンも始まります。子どもたちはすでに休みとなっていますので、元気いっぱい!うらやましい…。
「小学生と学ぶ英語の語源」第118回は”yet”「まだ、もう、しかし」です。
古英語期から見られる英語本来語です。
古英語では ġēt(a), ġīet(a), ġȳt などの綴りが見られていますが、詳しい起源は不明のようです。
もとは副詞「引き続き、さらに」の意味で、古英語期から「(否定文で)まだ…ない」「今はまだ」「その上」「やがて、いずれ」の意味として使われていました。中英語期になると「(疑問文で)もう」、また接続詞として「しかし、それにもかかわらず」という意味でも使われるようになりました。
語源がよくわかっていないため、yet の使い方をみてみましょう。
「(否定文で)まだ…ない」
I haven’t done my homework yet.
(まだ宿題をやっていない)
「今はまだ」
He is yet a child.
(彼はまだ子どもだ)
「その上、また」
She’s got yet another cold.
(彼女はまた風邪をひいている)
「やがて、いずれ」
The difficult problem will be solved yet.
(その難しい問題もいずれ解決されるだろう)
「もう」
Have you had dinner yet?
(もう夕ご飯食べた?)
「しかし、それにもかかわらず」
She had a lot to do yesterday, yet she went to see a movie.(彼女は昨日やることがたくさんあったが、それにもかかわらず映画を観に行った)
「小学生と学ぶ英語の語源」第117回は “war”「戦争」です。
今から900年くらい前の中英語期にノルマンディー方言の古フランス語 werre から入ってきました。
フランス語では「紛争、闘争」を表わす語は guerre です。werre はゲルマン祖語(英語のお父さん)の *wersō-, 印欧祖語(おじいちゃん)の *wers-(混乱させる)に基づいていますので、もともと英語と同じ仲間の言語がフランス語に入り、それがまた英語に戻ってきた…ということなのです!
フランスの中心で話されていた語 guerre とノルマンディー方言のフランス語 werre を見ると、/g/ の音が方言で /w/ の音になっているのがわかります。
この音の対応となっている「二重語」には次のようなものがあります。
<中央フランス語><ノルマンディー方言>
gofer(ゴーフル) wafer(ウェハース)
regard(敬意) reward(報酬)
guarantee(保証) warrant(保証)
また印欧祖語 *wers-(混乱させる)に基づく単語としては、bad, ill の比較級、最上級である worse, worst があります。また guerrilla(ゲリラ兵)も19世紀にスペイン語から入ってきた語で guerra(戦争)+ -illa(小さな)からできており、もとは「小規模な戦争」の意味です。
guerrilla(ゲリラ)と言えば、綴りは違いますが gorilla(ゴリラ)と発音が同じなのですよね!gorilla は新ラテン語 gorilla からで、もとはギリシア語の goríllai(毛むくじゃらの人間)からきています。英語には19世紀に入ってきています。guerrilla とは他人のそら似でした。
また war の発音は /wɔ́ːr/ですが、/wɑ́ːr/ と読む子が多いです。見た目からでしょうが、なぜ /wɔ́ːr/ と発音するのでしょうか。
中英語の頃は見た目のとおり /wɑ́ːr/ と発音されていました!しかし /w/ の音が前にあるため唇が「ウ」と丸くなりますね。そのため次の音が「アー」と口が開くのでなく「ウ」に近い「オ」に変わったのです。
最後に。
war「戦争」は今も世界のあちこちで起こっています。どんな理由があったとしても、決してやってはならないことです!これからの世の中を戦争のない平和な世界にしていかなければなりません。
「小学生と学ぶ英語の語源」第116回は “village”「村」です。
今から600年くらい前の中英語期にフランス語 village から入ってきました。
「村」は hamlet(村落)より大きく town(町)より小さいのが village ということです。
古英語では hām(現在の home)に「我が家、家庭」だけでなく「村、町」の意味もありました。そこに「小さい」を表わす指小辞 -let がついた hamlet が小村落(家がいくつか集まったところ)の意味で、それよりも大きいのが village ということになります。
フランス語の village はラテン語の villa(田舎の邸宅、農場)+ -age(集まり)に基づいています。villa はフランス語で「農場」から「(農場で働く)農民奴隷」の意味にもなりました。さらに「農民奴隷」に対する偏見から villain /vílən/ 「悪党」という語も生まれました。
一方、villain の異綴りで発音が同じ villein /vílən/ も生まれ、こちらは「農奴」の意味で使われています。