2026.6.14 #75 “can”
「小学生と学ぶ英語の語源」第75回は “can”「できる」です。
古英語期から見られる英語本来語です。
ただ、最初から助動詞としての働きをしていたのではなく、もとは cunnan(知る、知っている)という意味の一般動詞でした。これは know「知っている」と同じ語源である印欧祖語 *gnō-(知っている)に基づきます。音が /g/ → /k/ と変化したのは “call” などでやった「グリムの法則」によるものです。
助動詞としては、古英語期の終わりごろには「~できる」という能力を表わす用法で使われるようになりました。また中英語期には「ありうる」という可能性の意味が、初期近代英語期には「~してもよい」という許可の意味が加わりました。
can の過去形の could は、古英語では cūþe、中英語ではcoude の綴りでした。あれ? “l” はどこからきたのでしょう?
他の助動詞 will の過去形の would、shall の過去形の should に “l” が入っていたため、それらに倣って16世紀ころから “l” が入ってしまった!ということです。いずれの語も “l” は発音されていないですけどね~。
また、助動詞としての can ではなく「缶」の語源はどうでしょう。
こちらも古英語期から見られますが、ラテン語の canna から入ってきた語です。もとは canne の綴りで「水を入れる容器」の意味でした。「缶詰の缶」の意味で使われるようになったのは19世紀になってからです。
今は同じ綴りの語でも、語源をたどれば別々の単語であったことがわかりますね。
