昨年は、アルファベットの書き方などの間違いを正すと怒って癇癪を起こした子が、すっかり素直に話を聞いてくれるようになり、言われた通りに丁寧にたくさん練習をしている姿を見て感動しました。
「小学生と学ぶ英語の語源」第77回は “earth”「地球」です。
古英語から見られる英語本来語です。古英語期の綴りは eorþe で、印欧祖語の *er-(大地)に基づいています。
古英語期からの意味は「大地、世界、土壌、この世」で、「地球」の意味では13世紀ごろから使われています。太古の昔、人々は「父なる天」としての heavenがあり、それに対し「母なる大地」としての earth があると考えていました。その名残があり、earth を代名詞で受けるときに it ではなく she / her が使われることもあります。また冠詞は、この世の中にひとつしか存在しないものですから、an ではなく the がつきますね。
earth と似た単語に globe(球体、地球) があります。こちらは15世紀にフランス語、ラテン語 globusより 入ってきた語で、earth 「大地」よりも「球体」の意味が強調されているようです。16世紀以降「地球」の意味で使われるようになり、語尾に形容詞を作る -al のついた global は「球形の、全地球的な」としてよく使われていますね。
また sphere (球体、天球)も14世紀ごろ、古フランス語 espere から入ってきていますが、こちらは「丸いもの、球体、地球儀」の意味です。頭に hemi- がつくと hemishere「半球」の意味です。hemi- はギリシア語からきている「半分の」の意味ですよ。同じ「半分の」を表わす semi- はフランス語、ラテン語由来です。
ここ数日、療養のためレッスンをお休みさせていただきました。今日からすっかり元気になり、久しぶりのレッスンです。
子どもたちとのやり取りは、やはり楽しいです(^^)
そして今日からワールドカップは始まるわ、バレーボールのネイションズリーグはあるわ、毎日の日課となっているドジャーズ戦もあるわで、大忙しの日々(^^;)
「小学生と学ぶ英語の語源」第76回は “dark”「暗い」です。
古英語期から見られる英語本来語です。
古英語での綴りは deorc、中英語では derk で、印欧祖語の *dher- (泥まみれにする)に基づいています。/dh/ の音が /d/ に変わったのは、これまた「グリムの法則」で説明されます。
もとの意味は「(光がなく)暗い、黒い」といった意味でしたが、そこから「(人の性格が)陰気な、陰鬱な」、「邪悪な」という意味でも使われるようになっています。black にも同じように「黒い」だけでなく、人の性質として「邪悪な、腹黒い」の意味もあります。色の暗さが単なる見た目だけでなく、人や社会的な意味にも使われるようになっているのですね。
black との共通な使い方で言うと、シャレにならない残酷なユーモアを black humor と言いますが、dark humor とも言います。
逆に、日本ではカカオ分が高いチョコレートを black chocolate と言うこともあります(商標?)が、英語では dark chocolate と言います。
dark はチョコレートだけで十分です。世の中が暗黒の世界とならないよう、世界中の争いごとは一刻も早くやめてもらわなければなりません。
「小学生と学ぶ英語の語源」第75回は “can”「できる」です。
古英語期から見られる英語本来語です。
ただ、最初から助動詞としての働きをしていたのではなく、もとは cunnan(知る、知っている)という意味の一般動詞でした。これは know「知っている」と同じ語源である印欧祖語 *gnō-(知っている)に基づきます。音が /g/ → /k/ と変化したのは “call” などでやった「グリムの法則」によるものです。
助動詞としては、古英語期の終わりごろには「~できる」という能力を表わす用法で使われるようになりました。また中英語期には「ありうる」という可能性の意味が、初期近代英語期には「~してもよい」という許可の意味が加わりました。
can の過去形の could は、古英語では cūþe、中英語ではcoude の綴りでした。あれ? “l” はどこからきたのでしょう?
他の助動詞 will の過去形の would、shall の過去形の should に “l” が入っていたため、それらに倣って16世紀ころから “l” が入ってしまった!ということです。いずれの語も “l” は発音されていないですけどね~。
また、助動詞としての can ではなく「缶」の語源はどうでしょう。
こちらも古英語期から見られますが、ラテン語の canna から入ってきた語です。もとは canne の綴りで「水を入れる容器」の意味でした。「缶詰の缶」の意味で使われるようになったのは19世紀になってからです。
今は同じ綴りの語でも、語源をたどれば別々の単語であったことがわかりますね。