「小学生と学ぶ英語の語源」第73回は “abroad” 「外国に、海外へ」です。
今から700年くらい前の中英語期から見られる英語本来語です。
古英語で brād → 中英語 brōde となった形容詞 broad(幅の広い)の前に on がついた on broad の on が弱まって abroad となりました。ですから、最初は「広いところへ、あちこちに」の意味でした。
次第に「家から遠く離れて」という意味が出てくるようになり、特にその中でも「外国で、外国に」という意味で使われるようになりました。このように語の意味が時が経つにつれて、限られた特別なものを表わすようになることを「意味の特殊化」と言います!
abroad だけでなく on が弱まって a- となったものには、以下のような語があります。
ahead(前方に) = on (a) head
alive(生きている)= on life
away(離れて) = on way
また、abroad と同じ「外国に、海外へ」を表わす語に overseas がありますね。こちらも古英語期からある英語本来語の over(~の上に、~を越えて)+ sea(海)からできていますが、語尾の -s は16世紀以降についたもので、中英語期では oversea(海外の)という形容詞だけで使われていました。
現在は廃刊になってしまいましたが、以前リクルート社より海外旅行の情報雑誌「エイビーロード (AB-ROAD)」というのが発行されていました。
そのためか、私はずっと abroad は ab-(離れて)+ road(道)からできた単語とばかり思っておりました(暴露)
未だに綴りは「エイビーロード」と言いながら書いてしまいます笑
よいこのみんなは、ちゃんと覚えてね~
「小学生と学ぶ英語の語源」第72回は “yes / no” 「はい/いいえ」です。
“yes” は英語特有の語で、語源はよくわかっていないようです。
なにが「英語特有」なのかというと、ゲルマン語(英語の兄弟たち:ドイツ語、オランダ語、ノルウェー語)の「はい」は “je”、フランス語では “oui”、スペイン語、イタリア語では “si” のように、”yes” とは異なる形をしているためです。
古英語の ġese(イェーセ)〔ġēa (イェア)“yea” + sīe(セ) “be”〕がくっついた may it be(そうであればね)の意味の語、または ġea swā(yea so:はいそうです)に由来しているのではないか、と考えられています。
一方、”no” はゲルマン語や印欧語族の多くに共通し、ドイツ語 nein、オランダ語 nee、ノルウェー語 nei、フランス語 non、スペイン、イタリア語 no のように、ほとんどが /n/ で始まっています。古英語では nā であったのが、中英語期には no, na と変化しています。
上のイラストは、今戦争をしている国のリーダーたちへ。
「小学生と学ぶ英語の語源」第71回は “wall”「壁」です。
古英語よりも前の時代、今から1500年以上も前に古ラテン語 vallum(城壁)から入ってきたと思われます。古英語では weall(城壁)であり、印欧祖語の *walso-(柱、杭)に基づいています。ラテン語の v- の綴りは /w/ の発音であったため、古英語では w- になっています。
もともとは「城壁」の意味であったのが、中英語期から「(普通の家などの)壁、塀」の意味にも使われるようになりました。
「壁」と言えば、物質的な壁だけでなく、「目の前の壁を乗り越える」というように「困難、障害」といった比喩的な使い方もありますね。
これは英語でも同じように、中英語期から使われています。
wall of prejudice「偏見の壁」
wall of discrimination「差別の壁」
go to the wall「事業に失敗する、負ける」
go up the wall「腹を立てる」
hit the wall「限界に達する」
…など、比喩的な「壁」の表現はたくさんあります。
よいこのみんなは自分の前にどんな「壁」がありますか?
私は現在 have my back against the wall(壁際にいる→窮地に陥っている)状況におります…