『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第137回は “tea” 「茶」です。
今から400年くらい前の17世紀にオランダ語 tee から入ってきました。この tee は中国福建省の「茶」の方言 te に由来します。しかし北京語や広東語では「茶」は cha と発音されていました。ということは、tea の語源は「茶」ということになりますね!
これはオドロキです!!
紅茶の国の tea の由来が中国の「茶」であったとは!
お茶の歴史を見てみると、1559年にポルトガル人によってヨーロッパに初めてお茶がもたらされました。そのときの名称は cha だったようです。これが1607年にフランス語に chia, tcha として入りましたが、フランスでも英語と同じように方言の thé が使われるようになりました。
tea はイタリア語で tè, スペイン語で té, フランス語で thé, ドイツ語で Tee, オランダ語で thee, デンマーク語・スウェーデン語で te というように、ヨーロッパの諸言語で似ているのは、お茶が当時の貿易を一手に担っていた東インド会社等によるオランダ人を通じて持ち込まれたからなのです。
tea の発音は当初は /te:/ でしたが、「大母音推移」によって17世紀には今の /ti:/ になっています。
イギリスでは afternoon tea など、午後に紅茶とともに軽食やお菓子を楽しむ文化がありますが、18世紀頃からと意外にも歴史は浅いのですね。お茶のことをもっと調べてみるとおもしろいですね〜
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第136回は “Saturday” 「土曜日」です。
英語の曜日は英語ができるずっと前から使われています。古英語では Sæterndæġ で Sætern (Saturn, サトゥルヌス=土星) + dæġ (day, 日)とラテン語 diēs Sāturnī (サトゥルヌス=土星の日) から訳されたものです。
ローマ神話のサトゥルヌスとは「農耕の神様」で、ギリシア神話の Cronus に当たります。クロノスは子のゼウス Zeus に敗れるまで、世界の支配者でした。
日曜日は太陽、月曜日は月で天体と同じですね。その他の火曜から金曜にはゲルマン神話の神様の名前が使われていますが、土曜日のみローマ神話の神様 サトゥルヌス (土星 Saturn) の名がそのまま使われています。
月や曜日の名はギリシア・ローマ神話やゲルマン神話など、神様の名前と結びついているものが多く、なんとも神秘的です。
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第135回は “read”「読む」です。
古英語から見られる英語本来語です。
古英語の綴りは rǣdan で「読む、解釈する、助言する、計算する、推測する」の意味でした。
基づく印欧祖語が『英語語源ハンドブック』と『英語語源辞典』と異なる記載のため、異説として両方挙げておきたいと思います。*re(i)- (数える、論理的に考える)、あるいは *rēdh- (ぴったり合う、うまく噛み合う)に基づくようです。
『英語語源ハンドブック』の記述によると、「思う、計算する、読む、解釈する」と、当初はさまざまな思考に関連する意味を表していましたが、次第に「読む」ことに特化していった、とありますね。
現在では read の過去形、過去分詞は read /red/ – read /red/ と、綴りは無変化で発音が異なる不規則動詞ですね。古英語では rǣdde – rǣded、中英語では redde, radde – red, rad でした。これは語尾に -de, -ed をつけて過去形、過去分詞形を作る規則動詞であったのです。
今の綴りになったのは17世紀以降で、発音だけが原形(不定詞)と区別されるようになりました。
印欧祖語*re(i)- (数える、論理的に考える)に基づく他の語にはラテン語 reri (…と思う、考える、数える)に由来する reason (道理、理由)、rate (割合、比率)、ratio(比、比率)、ration (割り当て)などがあります。
reason, ratio, ration は同じラテン語に由来する「三重語」になります!
よいこはたくさん本を読みましょうね。