『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第138回は “until” 「…まで」です。
今から800年くらい前の12世紀に最初の記録が見られます。 un + till からできている語で、un- は古ノルド語の und- (…まで)、till は古英語期にやはり古ノルド語 til (…へ、…まで) から英語に入っていたものが合わさってできた語です。
until とtill 。どちらも「…まで」の意味ですが、どう違うの?
どちらも同じように使いますが、until の方が「一般的で堅い言い方」のようです。
前置詞では
untill / till now (今まで)
I waited untill / till noon. (私は正午まで待った)
I’ll be here untill / till 5:00. (5時までここにいます)
接続詞は以下の感じ
Wait here until I come back. (戻るまでここで待ってて)
You never know until you try. (やってみるまでわからない)
どちらも前置詞、接続詞として使われますが、till の方が口語的、接続詞としてはuntil の方がしっくりくる気がします。
また間違えやすいのが、前置詞 until / till と by です。
until / till は「…まで」、 by は「…までに」です。
by は行為がその時点までに完了しており、until / till は行為がまだ継続していることを表します。
He slept until / till noon. (彼は正午まで寝た)
I have to write this report by tomorrow. (明日までにこのレポートを書かなければならない)
until (…まで) ができたのは中英語期ですが、古英語期にはすでに till が英語に入ってきていましたので、until は古ノルド語と英語がタッグを組んだことになります!この時期はイングランド北部にて古ノルド語を話していたヴァイキングと、英語話者のアングロ・サクソン人が混ざり合っていたのです。人が交わると言葉も交わるということですね〜。
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第137回は “tea” 「茶」です。
今から400年くらい前の17世紀にオランダ語 tee から入ってきました。この tee は中国福建省の「茶」の方言 te に由来します。しかし北京語や広東語では「茶」は cha と発音されていました。ということは、tea の語源は「茶」ということになりますね!
これはオドロキです!!
紅茶の国の tea の由来が中国の「茶」であったとは!
お茶の歴史を見てみると、1559年にポルトガル人によってヨーロッパに初めてお茶がもたらされました。そのときの名称は cha だったようです。これが1607年にフランス語に chia, tcha として入りましたが、フランスでも英語と同じように方言の thé が使われるようになりました。
tea はイタリア語で tè, スペイン語で té, フランス語で thé, ドイツ語で Tee, オランダ語で thee, デンマーク語・スウェーデン語で te というように、ヨーロッパの諸言語で似ているのは、お茶が当時の貿易を一手に担っていた東インド会社等によるオランダ人を通じて持ち込まれたからなのです。
tea の発音は当初は /te:/ でしたが、「大母音推移」によって17世紀には今の /ti:/ になっています。
イギリスでは afternoon tea など、午後に紅茶とともに軽食やお菓子を楽しむ文化がありますが、18世紀頃からと意外にも歴史は浅いのですね。お茶のことをもっと調べてみるとおもしろいですね〜
『英語語源ハンドブック』の見出し語に基づいて英単語の語源を学ぶシリーズ、第136回は “Saturday” 「土曜日」です。
英語の曜日は英語ができるずっと前から使われています。古英語では Sæterndæġ で Sætern (Saturn, サトゥルヌス=土星) + dæġ (day, 日)とラテン語 diēs Sāturnī (サトゥルヌス=土星の日) から訳されたものです。
ローマ神話のサトゥルヌスとは「農耕の神様」で、ギリシア神話の Cronus に当たります。クロノスは子のゼウス Zeus に敗れるまで、世界の支配者でした。
日曜日は太陽、月曜日は月で天体と同じですね。その他の火曜から金曜にはゲルマン神話の神様の名前が使われていますが、土曜日のみローマ神話の神様 サトゥルヌス (土星 Saturn) の名がそのまま使われています。
月や曜日の名はギリシア・ローマ神話やゲルマン神話など、神様の名前と結びついているものが多く、なんとも神秘的です。